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2023.05.15
和装について

着物に必要な小物一覧!着物着用では何を揃えるべき?

「着物を着てみたい!」と思ったときに、用意すべきなのは着物本体だけではありません。着物用のインナーや帯周りのグッズ、着付けに便利なアイテムなど、たくさんの小物を用意する必要があります。

いざ着物を着用しようと思っても、「具体的にどのような小物を用意していいかわからない」「こんなにたくさんの小物を1人で準備できるか」と疑問や不安を抱く方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、着物の着用に必要な小物をまるっとピックアップしました。これから着物を着たいと考えている方にとって大変役立つ記事ですので、ぜひ最後までご覧ください。

【着物の小物】インナー

早速、着物の着用に必要な小物について紹介していきます。

まずは、直接肌に触れるインナーを見ていきましょう。

  • 肌襦袢(はだじゅばん)
  • 裾除け(すそよけ)
  • 和装用ブラ

肌襦袢(はだじゅばん)

肌襦袢(はだじゅばん)とは、着物の中に着込むインナーのことです。肌襦袢によって肌に着物が直接触れるのを避けることで、着物が汗や皮脂で汚れるのを防げます。

色は、白色や薄ピンク色が一般的です。汗を吸収できる軽やかな綿素材で、自宅でも簡単に手入れができます。

形は、ワンピースのような形をした「スリップタイプ」と、上半身・下半身でわかれている「セパレートタイプ」の2種類です。セパレートタイプの場合「裾除け」で下半身をカバーする必要があります。

着物初心者の方はスリップタイプを、着物を着慣れている方はセパレートタイプを選ぶのがおすすめです。

裾除け(すそよけ)

裾除け(すそよけ)は、下半身をカバーするインナーのことです。先ほど紹介した肌襦袢のセパレートタイプを利用する際に、裾除けを着用します。

身につけ方としては、まず裾除けを身につけてから、肌着を羽織って上半身をカバーします。肌襦袢と同じく綿素材が使われていることが多く、重ね着の多い着物でも快適に過ごせるでしょう。

和装用ブラ

着物の着用において、ブラジャーは専用のものを着用します。専用ブラジャーを身につけることで、着物が美しく見えるようなボディラインを作ることが可能です。

普段着用するようなブラジャーとは異なり、バストの膨らみを押さえるためのもので、カップやワイヤーなどはありません。着物は体の凹凸がないほど綺麗に着こなすことができるため、このような作りになっています。

和装用ブラは他の小物と同様に着物専門店等で購入できる他、一般的なブラジャーも取り扱っている下着ブランドが販売していることもあります。

【着物の小物】着物の下に着用するもの

続いて、インナーと着物の間に着用する小物についてまとめました。

  • 長襦袢(ながじゅばん)
  • 衿芯(えりしん)
  • 腰紐(こしひも)
  • 伊達締め(だてじめ)
  • 足袋(たび)

長襦袢(ながじゅばん)

長襦袢(ながじゅばん)は、肌襦袢と着物の間に着込む下着のことです。

通常、着物の着用には肌襦袢と長襦袢を着用します。洋服に例えると、肌襦袢が下着、長襦袢がその上に着用するブラウスのような役割を担っています。

肌襦袢と同じく汗や皮脂から着物を守るだけでなく、着崩れの防止や、袖口からチラ見えさせるおしゃれのワンポイントとしての役割も果たします。

季節や、フォーマル・カジュアルなどの着用シーンによって、着用する長襦袢の種類は異なります。自分の着用する着物にあったものを選びましょう。

衿芯(えりしん)

衿芯(えりしん)とは、長襦袢に差し込んで使用する衿のことを言います。

衿芯をつけることで、衿の部分の汚れを防ぐことができます。特に女性はスタイリング剤や化粧などで着物が汚れる可能性があるため、衿芯は欠かせません。

また、着物の襟の部分から衿芯を見せることで、着物にワンポイントのおしゃれ要素を加えることもできます。

腰紐(こしひも)

腰紐(こしひも)とは、着物の着付けの際に、腰の部分を締める紐のことです。中には、着付け中に一時的に固定し、着付け後に外す仮紐として使用することも。

また、腰だけではなくバストのアンダー部分を締める胸紐として用いられることもあります。

次に紹介する伊達締めの代わりとしても使用できるため、何本か余分に持っておくといざというときに便利でしょう。

伊達締め(だてじめ)

伊達締め(だてじめ)とは、長襦袢や着物の上を締めるための紐です。衿合わせを安定させるために長襦袢を固定したり、おはしょりを整えるために着物を固定したりする際に使用します。

紐の幅はおよそ10cmと広め。柄や素材もさまざまで、芯の入ったカチッとしたものや、マジックテープ付きのものもあります。中でも正絹で作られた伊達締めは適度に引き締めやすくゆるみにくく、かつ通気性も良いので使いやすいでしょう。

また、伊達締めがない場合は、先ほど紹介した腰紐で代用することも可能です。

足袋(たび)

足袋(たび)は、着物を着用する際に合わせる、靴下のような役割を持つ小物です。草履(ぞうり)がスムーズに履けるように指先が分かれており、くるぶしの部分には、足袋が脱げないように留め具があります。

白地の「白足袋」や色味がついた「色足袋」などがあります。中でも白足袋はフォーマル・カジュアルのどちらのシーンでも着用可能。色足袋は、カジュアルシーンのみで着用できます

【着物の小物】帯まわり

続いて、帯の着付けに関わる小物についてまとめました。

  • 帯(袋帯・名古屋帯)
  • 帯板(おびいた)
  • 帯締め(おびじめ)
  • 帯揚げ(おびあげ)
  • 帯枕(おびまくら)

帯(袋帯・名古屋帯)

着用する着物の格式によって、選べる帯は変わります。

礼装・準礼装といった格式高い着物を着用する場合、「袋帯」を選びましょう。袋帯は、結婚式や卒業式などのフォーマルなシーンで身につけられる帯です。留袖や振袖などの第一礼装には、他の帯を合わせることはできません。

カジュアルなお出かけ用や普段着として着物を着用する場合は、「名古屋帯」を使用します。主な着用シーンは、お茶会やパーティー、習い事など。袋帯と違ってカジュアルなシーンでも着用でき、結び方も簡略化されるのが特徴です。

それぞれの柄や色味もさまざまですので、着用する着物にあわせて選びましょう。特に留袖などの格式高い着物を着用する場合は、着用できる帯のルールがより細かく決められていることもありますので、事前に確認が必要です。気になる場合は着物専門店に相談してみましょう。

帯板(おびいた)

帯板(おびいた)は、帯の形を整えるために使用する板のことです。次に紹介する「帯締め」を使用する際の崩れを防いだり、比較的柔らかい帯にハリを出したりするために使用されます。

前帯のシワを防ぐ「前板」と、腰の高い位置を支える「後板」の2種類にわかれます。帯の結び方がお太鼓結びの場合、後板は使用しません。

帯締め(おびじめ)

帯締め(おびじめ)は、帯を身につけた後に、その上から中央に縛る紐のことを言います。

帯の上から縛ることで形の崩れを防ぐ他、おしゃれなコーディネートとしての役割も果たします。色や形のバリエーションも豊富ですので、帯や着物とのバランスをみながら選びましょう。

帯揚げ(おびあげ)

帯揚げ(おびあげ)とは、帯の上の部分を飾るために用いられる長方形の布のことを言います。

着物と帯の間に身につけ、帯の上辺からわずかに覗かせるようにすることで、コーディネートのアクセントとして楽しめます。素材や柄はさまざまで、帯焼き物とのバランスを見ながら決めていきます。

帯枕(おびまくら)

帯枕(おびまくら)とは、帯をお太鼓結びにする際、帯揚げの中に忍ばせる枕状の枕のことです。身につけることで、帯周りをより華やかに見せることができます。

留袖や訪問着といった礼装・準礼装を着用する際や、華やかな着付けを行いたい場合は、特に大きいかつ厚めの帯枕を使用します。

帯を結んだ際に形を整えたり、結び目を固定させたりする役割があります。帯揚げの中に入れるため、通常外から見えることはありません。

【着物の小物】着付けに便利な小物

続いて、着付けの際にあったら便利な小物について紹介します。

紹介する小物は、次の通りです。特に業者の力を借りるのではなく、自力や知り合いの手で着付けをする場合に、大変役立つアイテムです。

  • コーリンベルト
  • 補正グッズ

コーリンベルト

コーリンベルトは、着付けを行う際に補助的に使用するベルトのことです。主に長襦袢や着物に対して使用するもので、「着物ベルト」「着付けベルト」と呼ばれることもあります。

特に、着物や長襦袢の衿合わせや、おはしょりを整えらいときに便利なアイテムです。特に着物を着て1日中動き回る場合は衿元が崩れてしまうこともありますが、コーリンベルトを使用することで綺麗な姿をキープできます。

一方で、コーリンベルトの先端には留める用のクリップがついており、それが肋骨などに当たって苦痛を感じる場合もあるようです。コーリンベルトの位置や締め付け具合の調整に気をつけましょう。

補正グッズ

これまで上げてきた小物以外にも、「フェイスタオル」や「専用パッド」などを使用して体型を補正することがあります。

凹凸のない身体のほうが、シワやゆるみなどを防ぎ、着物を美しく着こなせます。そのため、ウエスト部分にフェイスタオルを巻いたり、腰に身につける専用パッドを使用しておしりの凹凸を軽減させたりする「補正」が大切です。

【着物の小物】その他

ここまで紹介したもの以外にも、着物の着用には次のような小物が必要です。1つずつ確認していきましょう。

  • 草履(ぞうり)
  • バッグ
  • 髪飾り
  • 羽織
  • 手拭い

草履(ぞうり)

草履(ぞうり)は、着物を着用する際に身につける履物のことです。日本の伝統的な履物として、現代でも多くの人々に親しまれています。

現代で主流となっている革製の草履や、もともと使用されていたイ草の草履などがあります。着物と同じ様に、草履にも格式が存在しますので、着物の格式にあった草履を選びましょう。また、草履を履く際は、必ず足袋を身につけてください。

バッグ

外出するときに必要なアイテムの1つが、バッグです。

帯や草履と同様、着物の格式にあったものを選ぶ必要があります。例えば黒留袖などの格式高いシックな着物を着用する場合、バッグは礼装用を選びます。中でもゴールドやシルバーなどの、シンプルかつフォーマルな印象のバッグがおすすめです。

振袖や訪問着などの華やかな着物を着用する場合は、華やかなバッグを選びましょう。

髪飾り

女性の場合は、髪飾りも忘れずに用意しましょう。着物に合ったものをチョイスしてください。

親戚の結婚式で女性が黒留袖を着用する場合は、上品さをキープできるように控えめな髪飾りを利用するのが望ましいでしょう。反対に、華やかな振袖等を着用するのであれば、同じく華やかな髪飾りを利用すると全体のバランスが取れますよ。

羽織

10月から翌年の4月頃に着物を着用する場合、羽織を用意します。

洋服に例えるとカーディガンのようなアイテムで、屋内・屋外ともに着用可能です。ただし、お茶席では着用できないことに注意しましょう。

羽織を着用する際は、首の後ろにある衿のうち、半分を外に倒します。慣れないうちは脱ぎ着に苦労する場合もありますので、自宅などで練習しておくと安心です。

手拭い

手拭いは、木綿で作られた薄い布のことを言います。タオルのような役割を持つアイテムで、さまざまな用途で使用されます。

例えば、食事の前に膝にかけることで、食事による着物の汚れを防ぐことができます。また、屋外のベンチなどに腰掛ける際は、ベンチの上に手拭いを敷くことで着物の汚れを防止できます。

着物で外出する際に1枚持っておくと便利な小物です。

まとめ-着物に必要な小物一覧

以上、着物の着用に必要な小物について紹介しました。

本記事を読んで、「こんなにあるの?」「用意するのが大変そう」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、着物専門店やECサイトで小物を一式購入・レンタルできる、あるいは着物とセットで小物を案内してもらえる場合がほとんどです。

「準備を忘れていないかな……」と一点ずつ確認しなくても、着物に必要な小物を調達できるでしょう。不安な方は、業者に問い合わせてみてくださいね。

なお、婚礼和装専門店Zen京都では、アンティーク着物の試着体験を実施しています。現代の着物にはない唯一無二の魅力を放つアンティーク着物を多数用意しておりますので、ぜひ一度ご来店ください。

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