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2024.02.27
和装について

結婚式で着用される着物の種類とは?着物の注意点や着こなすポイントも解説

今はさまざまな結婚式の形が存在しますが、新郎新婦が着物や袴を着用する仏前婚(和婚)では、どのような着物の種類があるのでしょうか。
また、新郎新婦の母親や叔母などの参列者は仏前婚でも教会婚でも着物を着用する場合があります。
この記事では、結婚式で着用される着物の種類にはどんなものがあるのか、着物を着用する際の注意点や着こなすポイントなどを解説します。
結婚式で着物の着用を検討している方、着物を綺麗に着こなしたいと思っている方必見です。

結婚式で着用される着物の種類

結婚式で着用される着物には主に以下の7種類あります。

  • 花嫁が着用する打掛(打ち掛け)
  • 新郎が着用する五つ紋の紋付袴
  • 新郎新婦の母親や祖母などが着用する黒留袖
  • 新郎新婦の父親が着用する黒紋付羽織袴
  • 未婚の叔母や若い既婚者などが着用する色留袖
  • 未婚であり20代までの姉妹や従姉妹などが着用する振袖
  • 既婚未婚問わず同僚や友人などが着用する訪問着

それではそれぞれくわしく見ていきましょう。

花嫁が着用する打掛(打ち掛け)

打掛(打ち掛け)は、結婚式で花嫁が着用する格式の高い婚礼衣装の一つです。
小袖の上に打ち掛けるように羽織ることから打掛(打ち掛け)と呼ばれています。
打掛の種類は大きく、色打掛と白打掛の2つです。
和婚でよくイメージされる白無垢も打掛に含まれ、白無垢ではなく白打掛と呼ばれる場合もあります。
白打掛と色打掛にはそれぞれ婚礼衣装としての意味があります。

まず、白打掛は「純白」を表しており、「旦那の色に染まる」といった意味です。
次に色打掛ですが、「色打掛」と聞くと赤のイメージがある方も多いのではないでしょうか。
これは、写真映えするからといった理由で選ばれる場合も多いですが、それだけではなく、嫁ぎ先の血を表しています。
しかし、現在色打掛はさまざまな色が用意されており、意味が重要視されることは少ないです。
そのため、赤以外の色打掛を着用しても全く問題ありません。

新郎が着用する五つ紋の紋付袴

五つ紋の紋付袴は結婚式で新郎が着用する格式の高い婚礼衣装の一つです。
紋付袴には、大きく黒紋付袴と色紋付袴の2つがあります。
格式や雰囲気が重視される結婚式では、黒紋付袴が最も格式が高い正装となっています。
そのため、和婚で新郎が着用する紋付袴のほとんどがこの黒紋付袴です。
新婦が格式の高い婚礼衣装である打掛を着用する場合、新郎も合わせて黒紋付袴を着用する場合が多いです。
「紋付き」であるため、必ず五つ紋が入った袴を選ぶようにしましょう。

色紋付袴は黒以外の袴で、基本は紺や桑茶色などの落ち着いた色味が多いです。
ただ、同じ紋付袴でも黒紋付袴より格式は少し下がってしまうため、新婦のお色直しに合わせたり、写真撮影や二次会などのカジュアルな場面に合わせてください。

新郎新婦の母親や祖母などが着用する黒留袖

留袖とは、下半身にだけ絵柄が入っている着物で、布地が黒く五つ紋の入った黒留袖は女性が着用するなかで最も格式の高い着物となっています。
そのため、招待客を招く立場になる新郎新婦の母親が着用するのが一般的です。

新郎新婦の母親以外に、祖母や既婚の叔母・姉妹などが黒留袖を着用する場合もあります。
その時は、新郎新婦の母親が着用する留袖よりも落ち着いた柄であったり、格式の低い着物を選ぶようにすると良いでしょう。

新郎新婦の父親が着用する黒紋付羽織袴

新郎新婦の父親が和装を着用する場合は、黒の五つ紋がついた羽織袴となります。
黒の五つ紋がついた羽織袴は男性が着用する和装の中で最も格式の高い着物です。
ただ、最近は黒紋付羽織袴を着用する方は少なくなっています。

結婚式で新郎新婦の母親が留袖を着用する場合でも、父親は和装の黒紋付羽織袴ではなく洋装の中で正礼装に当たるモーニングコートを着用する場合がほとんどです。
母親が着物、父親がモーニングコートでも全く問題はなく、衣装レンタルでは黒紋付羽織袴の取り扱いをしていない場合もあります。

未婚の叔母や若い既婚者などが着用する色留袖

色留袖は、黒留袖同様に下半身にだけ絵柄が入っている着物で、布地は黒以外で一つ紋・三つ紋・五つ紋があり、紋の数が多いほど格式が高くなります。
同じ五つ紋の黒留袖と色留袖であれば、黒留袖の方が格式が高いです。
基本的には、未婚の叔母や姉妹が着用し、若い方であれば既婚者でも着用する場合もあります。

未婚であり20代までの姉妹や従姉妹などが着用する振袖

振袖は未婚女性の正礼装にあたるため、新郎新婦の姉妹や従姉妹などが着用できる着物です。
振袖と一言で言っても、袖の長さで大きく3つに分かれています。

大振袖 袖の長さ104~120㎝前後・振袖の中で最も格式が高い
・袖を引きずる見た目から引き振袖・引き振り・お引きずりなどとも呼ばれている
・結婚式においては新婦がお色直しの一環として着用する場合も
中振袖袖の長さ約100㎝前後・大振袖よりも格式が下がるものの小振袖よりは格式が高い
・一般的な「振袖」のイメージはこの中振袖
・成人式や未婚の姉妹などが着用する振袖
小振袖袖の長さ約60~85㎝・二尺袖とも呼ばれている
・袴やブーツと合わせてカジュアルに着こなせる
・振袖の中では格式が最も低い
・卒業式で選ばれる場合が多い

結婚式に参列する場合は、中振袖を選ぶのが一般的です。

既婚未婚問わず同僚や友人などが着用する訪問着

訪問着は、上半身と下半身どちらにも絵柄が入った着物です。
結婚式のような華やかな場面で着用する準礼装にあたり、既婚・未婚問わず着用できます。
ただ、五つ紋の留袖のような正礼装ではないため、新郎新婦に近い親族は着用しない場合が多いです。
一方で、ゲストとして結婚式に招待される立場の従姉妹・同僚・友人であれば訪問着で問題ありません。

結婚式に着物を着用する際の注意点

結婚式に参列する際には服装に関する注意点がありますが、着物だからこその注意点があります。
結婚式で恥をかかないように、呼んでくれた新郎新婦の迷惑にならないように、あらかじめ知っておきましょう。

叔母が留袖を着用する場合は格式は少し低めを選ぶ

叔母が留袖を着用する場合、新郎新婦の母親よりも格式が少し低い物や落ち着いたすっきりとした絵柄を選ぶのがおすすめです。
特に年齢を重ねている方であれば、落ち着きがある色味や絵柄が入っている着物を選んだ方が上品さを演出してくれるでしょう。

紋の数は、叔母が留袖を着用する場合でも五つ紋が基本とされています。
しかし最近では、三つ紋や一つ紋の留袖を選ぶ方も増えています。
厳格な式であれば五つ紋の方が良いですが、カジュアルな式であれば三つ紋や一つ紋の留袖でも問題ないでしょう。
どういった雰囲気の式になるのか、あらかじめ新郎新婦に聞いておきましょう。

訪問着を着用する際には留袖とかぶる黒や目立つ柄は避ける

訪問着のなかには、布地が黒でその上に絵柄が入ったものがあります。
結婚式において、布地が黒の着物は新郎新婦の母親などが着用する黒留袖とかぶってしまうため、避けたほうが良いでしょう。
また、白は花嫁の色であり、白無垢ともかぶってしまうため、布地が白の着物も同様に避けてください。
白無垢同様に花嫁衣装(色打掛)と色合いがかぶることも良くないとされています。
そのため、あらかじめ色打掛の色を聞いておいて、その色が布地に使われている着物は避けましょう。

ただ、最近はイベントの一環として当日まで花嫁衣裳の色が分からない場合があります。
その時は、赤・黒・オレンジ・金は花嫁衣装によく使用されるため、避けるのが無難です。
結婚式だからと気合を入れて目立つ色味や絵柄の訪問着を着用したくなるかもしれません。
しかし、結婚式の主役はあくまでも新郎新婦のため、新郎新婦よりも目立ってしまうのはNGです。

縁起が悪い絵柄は避ける

着物に描かれる絵柄の中には、結婚式には縁起が悪いと言われている絵柄があります。
ただ、縁起の良い意味がある場合もあるため、絶対に避けた方が良いわけではありません。
複数ある絵柄の一つであれば特に気にする必要はありませんが、メインで描かれている場合は避けておく方が無難です。
どんな絵柄がなぜ縁起が悪いと言われているのか、紹介します。

・見ごろが短く、散り際がキレイとされている点から永遠の愛を誓う結婚式には合わない
・特に写実的なものや桜吹雪は避ける
椿・花の終わりに花ごと落ちる所から首が落ちる「死」を連想させてしまう
・特に写実的なものや花落ちが描かれたものは避ける
・初夏を感じさせるため着物の絵柄としても人気があるが、藤は垂れ下がる形で咲く事から運気が下がるといったイメージがある
・特に写実的なものは避けるべき
・虫であるため短命のイメージがある
・ふわふわとさまざまな花に止まることから浮気を連想させてしまうため避けた方が良い
・蝶は脇役としてはよく描かれる絵柄のため、メインで描かれていなければ気にする必要はない

着物を綺麗に着こなすポイント

普段着で着物を着ている方は少ないため、着物が綺麗に見えるためのポイントを知らない方も多いかもしれません。
結婚式で、綺麗に着物を着こなすためのポイントを紹介するので、ぜひ知っておきましょう。

姿勢と歩き方

着物を着ているときは背筋をピンと伸ばし、歩幅は細やかに内股気味にあることを意識しましょう。
背筋が丸まっていたり大股で歩いたりすると見た目の優雅さや気品が感じられず、着崩れの原因にもなります。
車に乗る場合は、まずお尻から車に乗せ次に足を入れます。
椅子に座る場合は、深く座って背もたれに腰かけてしまうと帯が崩れてしまうため、浅く座って背もたれに持たれないように注意が必要です。

帯はきつすぎないように

着付けの際に、着崩れを気にして、きつく帯を締めてしまう場合があります。
しかし、結婚式の場合着物を着用してから脱ぐまではかなり時間があり、途中で脱げるわけでもありません。
そのため、帯をきつく締めすぎてしまうと途中で体調が悪くなる可能性があります。
また、新郎新婦を祝うだけではなく、選んだ料理などを楽しむことも結婚式では大切なことです。
帯がきつく締まっている状態であれば、食事を楽しむこともできないでしょう。
ただ、当然帯を緩くし過ぎると着崩れてしまうので、程よい締め付け具合を着付けの方と相談しながら決めましょう。

着崩れは定期的になおす

姿勢や歩き方、座り方などに気を付けていてもどうしても着崩れはしてしまいます。
着物の襟やおはしょりのゆがみに気付いても、むやみに引っ張ってしまうとより崩れてしまう可能性があるので注意が必要です。
着崩れが目立ちやすいのは襟元です。
そのため、襟元が着崩れた場合の着物の直し方の一例を紹介します。

  1. わきの下の身八つ口から左手を入れる
  2. 緩んだ部分を引き込み、右手で上前を整える

着崩れを綺麗に直すためには、着物の構造を理解していておく必要があります。
普段着物を着ることの無い方であれば、綺麗に直すのは難しいかもしれません。
そんな時は、式場スタッフに声をかけてみましょう。
式場スタッフの中には、着物の着付けができる方がいます。
もし、声をかけたスタッフが着付けできない場合でも、「着崩れが気になる」と相談すれば、着崩れを直せるスタッフを呼んでくれるでしょう。
また、着付けをしてもらった際に、着崩れをどのようになおすのか聞いておくと自分で直せるので安心です。

まとめ

この記事では、結婚式で着用される着物の種類にはどんなものがあるのか、着物を着用する際の注意点や着こなすポイントなどを解説しました。
結婚式の場合、花嫁の打掛や新郎の紋付袴、新郎新婦の母親が着る留袖など主に7種類の着物があります。
結婚式の雰囲気や新郎新婦との関係性によって、最適な着物が変わります。
自分ではどんな着物を着たら良いか分からない場合は、ぜひ結婚式の着物レンタルなどを行っているところに相談してみましょう。
普段着ない着物だからこそ、分からないことが多いかもしれません。
しかし、結婚式というお祝いの席だからこそ華やかな着物で新郎新婦の新しい門出をお祝いしましょう。

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