結婚式を訪問着で参列するときのマナーを徹底解説
結婚式を訪問着で参列するときのマナーを徹底解説
訪問着は年齢問わず着用でき、お祝いの気持ちを表現できます。
着てみたい気持ちはあるけれど、どのような柄や色がいいのか、着たい訪問着がマナー違反にならないかと心配になりますよね。
今回は、訪問着で結婚式に参列するときのマナーを徹底解説します。
華やかな訪問着を着て、お祝いをしたい方はぜひご参考ください。
訪問着とは
訪問着とはフォーマルな着物で、幅広く活用できます。
年齢や既婚・未婚を問わず着られる礼服なので、豪華な装いをしてみたい方は、花嫁を引き立てられる訪問着を選んでみましょう。
ただし訪問着だからといってなんでも良いわけではないため、披露宴にふさわしい訪問着選びが重要です。
訪問着を着るときに必要なもの
訪問着を着るときに必要なものは、以下のとおりです。
- 帯
- 帯締め
- 帯揚げ
- 半衿
- 重ね衿
- 草履・バッグ
レンタルする場合は、オプションで小物がセットでついてくることがあります。
バッグなどの小物を自分で用意する場合は、何が必要なのかを専門店のスタッフに確認してみましょう。
帯
訪問着は、袋帯や名古屋帯を合わせることが一般的です。結婚式であれば、金糸や銀糸が施された格調が高い袋帯を合わせると良いでしょう。また縁起の良い柄を選ぶのもおすすめです。
帯締め
帯締めは「帯の上に締める紐」で、アクセントになるアイテムです。訪問着に使う場合は、色のある平打ちでも問題ありません。帯と同様に金糸や銀糸が施された格調が高いものを選びましょう。
帯揚げ
帯揚げは帯枕を包むものです。訪問着を着るときは、淡い色や刺繍に絞りが入っているデザインなど優しい雰囲気が感じられるものを選んでみてください。
半衿
衿元の汚れを防ぐ役割がある半衿は、白一色や色ありなどさまざまなタイプがあります。訪問着などフォーマルな場で着用するときは、金糸や銀糸など品を感じられるものがよいです。
重ね衿
訪問着に重ね衿をつけるかどうかの決まりはありません。着用したときに全体的に寂しく感じる場合は、伊達衿を使ってみてもよいでしょう。
草履・バッグ
草履は4センチ以上の高さがあり、金や銀を基調にしたものを選びましょう。高級感のある織物やエナメルのものを合わせてみてください。
バッグは金糸や銀糸で装飾された礼装用バッグが適しています。荷物が入り切らない場合は、サブバックも必要です。
訪問着で参列するときのマナー
訪問着で結婚式に参列するうえで、守るべきマナーがあります。
- 黒留袖と被る黒色は避ける
- 花嫁と被る色は選ばない
- 出席する立場で考える
- 色・柄にも気を配る
- アクセサリー類はしない
- メイクは濃い目を意識する
- 髪飾りはパール付きのものを選ぶ
黒留袖と被る黒色は避ける
結婚式では、黒色の訪問着はマナー違反になります。親族が着る黒留袖と見間違えられてしまうことがあるからです。あえて黒を選ばずに、別の色を選んでみてください。
また友人として参加する場合も、紺色など黒色に近い訪問着を着るのは避けましょう。
花嫁より目立つ色にしない
黒だけではなく、花嫁のウェディングドレスと被るような白色も避けましょう。主役はあくまでも新郎新婦なので、色味や柄数をおさえた訪問着を選んでみてください。
もし着たい場合は、白地の少ない訪問着や小物以外を白色にするなど、花嫁とかぶらない配慮が重要です。
出席する立場で考える
友人や会社の同僚などの立場であれば、訪問着がふさわしいでしょう。新郎新婦の母親なら黒留袖、親族は色留袖や振り袖など、立場に寄って着用するものが変わります。
未婚女性の場合は振り袖でも問題ありません。ただ何度も着ていたり、目立ちたくないと感じている方は、訪問着を選ぶ人が増えています。
色・柄にも気を配る
訪問着も花嫁衣装と色が被らないようにすることがマナーです。ウェディングドレスの白や、色打掛に多い赤などを控えるとよいでしょう。当日被らないようにするために、新婦に当日着る色や柄を聞いてみるのもありです。
アクセサリー類はしない
訪問着のときは、結婚指輪以外のアクセサリーをしないことがマナーとされています。普段からピアスやイヤリングをつけている方は、気をつけましょう。もしピアス穴が目立つ場合は、小ぶりのパールのピアスなどで穴を隠すことが必要です。
また腕時計を社交の場でつけることで「時間を気にする失礼な人」と思われるため、外しておきましょう。
メイクは濃い目を意識する
訪問着のときのメイクは「いつもより濃い目」を意識してみてください。使う色は着物に合わせて、ファンデーションはワントーン明るめを選びましょう。アイシャドウはブラウンのもので、ロングタイプマスカラを使うと華やかになります。
チークは顔色を良くするために赤やピンク色を選び、リップはチークと同じ色を選ぶことで統一感が出ます。
髪飾りはパール付きのものを選ぶ
訪問着に合わせる髪飾りは、パール付きのコームがおすすめです。大ぶりのコサージュなど、豪華すぎてしまうデザインになると、花嫁より目立ってしまうため避けましょう。
髪飾りの値段は2,000円と求めやすいものから、20,000円台とさまざまです。相場としては3,000円〜6,000円が一般的です。訪問着とのバランスの取れた髪飾りを選びましょう。
結婚式ふさわしい訪問着の選び方
結婚式にふさわしい訪問着の選び方を紹介します。
- 上品な印象の優しい色
- 年代を選ばない万能な色
- おめでたい意味のある古典的な柄
- 帯締めは金糸が入った上品なもの
- 親族は訪問着の格が高いもの
- 友人は個性的なデザイン
立場や年齢を考えて、結婚式にふさわしいデザインの訪問着を選びましょう。
選び方をひとつずつ見ていきます。
上品な印象の優しい色
結婚式で訪問着を着るときは、優しくて上品な色のものがおすすめです。クリームやピンク、水色を選ぶことで柔らかい印象になります。
年代を選ばない万能な色
淡い色が苦手な方は、明るいグレーや薄紫を選ぶとよいでしょう。幅広い年齢で着用できる色なので、顔色が明るく見えます。
おめでたい意味のある古典的な柄
柄は鶴や松竹梅などお祝いごとにふさわしい古典柄を選ぶと、お祝いの気持ちが表現できます。開運を意味する扇や、円満の象徴である七宝を描いた訪問着も、結婚式にぴったりです。
帯締めは金糸が入った上品なもの
帯の上に巻く帯締めは、金糸でできた上品なデザインを選びましょう。親族の場合は白や金が基調になっているもの、友人は好きな色の帯締めで問題ないでしょう。着物と反対色を選ぶことで、引き締まった印象になります。
親族は訪問着の格が高いもの
親族として出席する場合は、上品なデザインかつ格が高いものを選びましょう。紋の数が多くなるほど格が高くなると言われているため、紋が1〜3つ入っているものが適しています。
新郎新婦の母親として参列する場合は訪問着ではなく、白い紋が5つ入った黒留袖を着るようにしましょう。
友人は個性的なデザイン
友人の結婚式の場合は個性的な絵柄を選んで、おしゃれにしてみてください。たとえば水色と黒の配色や、紫にバラ柄など友人という立場だからこそ着られる訪問着があります。
【年代別】訪問着の選び方
こちらでは年代別に合わせた訪問着の選び方を紹介します。「この年代にこれしか着てはいけない」と伝えるものではなく、人気の傾向を紹介するため、あくまでも参考程度に留めましょう。
10~20代
既婚者や落ち着いた雰囲気を好む人は、訪問着を選びます。柄が多いものや色が沢山使われているものが人気です。
おすすめの色は、ピンクや水色などの淡い色です。柄は、無紋や古典柄を選んでみてください。帯の結び方は未婚であれば「太鼓系の変わり結び」や「ふくら雀」をすると可愛らしくなります。
30代~40代
渋みのあるピンク色など、地味に見えない色が人気です。
柄は古典柄や無紋を選ぶとよいでしょう。
30代〜40代になるとお宮参りや七五三など、結婚式以外のイベントで訪問着を着る機会が増えます。「落ち着きすぎず、華やかなイメージ」や「子どもの行事で他のお母さんと被らないイメージ」を希望している方が多い傾向があります。
50代~60代
50~60代は少し華やかすぎる?と思うくらいの色や柄を選ぶとよいでしょう。逆にモノクロや柄の少ないものを選んでしまうと、実年齢よりも落ち着いて見られてしまいます。
暗めの色でも華やかな柄を選ぶと、上品な着こなしを楽しめます。
70代以上
70代以上になると着物を着こなしている方が多くなります。モノクロや渋みのあるアースカラーがおすすめです。また小柄な方が多い傾向なので、小さめの柄が好まれています。
訪問着に合わせたい帯結びの種類
訪問着に合わせたい帯の種類を紹介します。
結婚式で訪問着に合わせるものは「袋帯」と呼ばれる格式高い帯で、他の帯よりも長さや幅が大きいことが特徴です。
お呼ばれのときに合う帯結びの種類は、以下のとおりです。
- 二重太鼓
- 文庫結び
- ふくら雀
二重太鼓
二重太鼓は、親族の留袖にも使われます。お太鼓と呼ばれる箇所が二重になっていて、一重よりも格式が高くなります。落ち着いた印象になるため、既婚者や年配の方におすすめです。
文庫結び
リボンが乗っているような可愛らしい結び方です。派手すぎないため若い方や可愛いものが好きな人に向いています。形が崩れないように座るときに注意しましょう。
ふくら雀
雀をイメージした結び帯で「福」や「繁栄」という縁起をかついだ結び方になるので、結婚式にぴったりです。年代問わず華やかになる結び方なので、工夫して華やかにしましょう。
訪問着の着付けにかかる値段
こちらでは訪問着の着付けにかかる値段を紹介します。着付けのみか、着物レンタルもするのかで価格が異なります。
着物は持ち込んで着付けのみの場合
着物を持ち込んで着付けする場合の価格は、5,000円程度です。
来店予約の数日前に宅配で店舗に送ります。当日持ち込みもできますが、あらかじめ一式送っておくことで、すぐに着付けが始められます。
足袋や小物一式はレンタルや購入ができるため、万が一忘れ物があったとしても気軽にお願いができるのも魅力です。
着物を一式レンタルする場合
着物と小物を一式レンタルする場合は、9,000円〜が相場です。訪問着の色や柄によって値段が変動します。
また着物と帯だけではなく、肌着や足袋などの小物一式も着付け料金に含まれています。
フルでレンタルする場合は、来店予約をして手ぶらで店舗に行けることがメリットです。
訪問着を持ち込むときに必要なものや服装
訪問着を持ち込みして着付けしてもらうときは、持ち物や服装に注意が必要です。
着付け当日に余裕を持った行動ができるように、事前に確認しておきましょう。
訪問着を持ち込むときに必要なもの
訪問着を着るときに必要な持ち物は、以下のとおりです。
- 着物
- 帯
- バッグ
- 足袋
- 草履
- 着物スリップまたは肌襦袢
- 裾よけ
- 半襟付き長襦袢
- 襟芯
- 腰ひも5本
- タオル5本
- 伊達締め2本
- 帯板
- 帯枕
- 帯締め
- 帯揚げ
- 三重仮紐
- 伊達襟
タオルは美しい着物姿になるために必要で、体の凹凸をなくして寸胴な体型にするために必要です。薄手でやわらかく、薄いものを用意しましょう。
使いたい髪飾りがある場合は、一緒に持っていきましょう。華やかなイメージにしたい方はパールコーム、粋なイメージにしたい方はかんざしを選んでみてください。
着付け当日の服装やメイク
着付け当日は、前開きの服を着ましょう。ヘアセットもお願いするときに、被って着るタイプの服になるとヘアスタイルが崩れてしまいます。
下着は、ワイヤーが入っていない和装ブラをつけていくのがおすすめです。持っていない場合は、カップ付きのキャミソールでも問題ありません。
ヘアセットをお願いするときはスタイリングはせず、メイクをしてもらうときはすっぴんで行くようにしましょう。
着付けにかかる時間
訪問着の着付けは、二重太鼓の場合30分程度で、かわり結びの場合は10分プラスしてかかります。
着付けをして結婚式に行くときは、店舗や会場までの移動時間も頭に入れて、着付け時間を決めましょう。
結婚式で華やかに訪問着を着よう
今回は、結婚式を訪問着で参列するときのマナーについて紹介しました。
マナーとして覚えることが多くありますが、まずは花嫁や親族と被らないことを意識してみてください。
Zen京都では、訪問着ではありませんが、すべて正絹にこだわった着物がレンタル可能です。羽織るだけではなく、あらゆる角度からどのように見えるかを確認できます。
またアンティーク着物を取り扱っているため、落ち着いた色合いや柄、特別な着物を身に纏っての特別な結婚式を求めている方はぜひ試着に訪れてみてください。