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2023.09.04
和装について

【和小物】着物に必要な小物とは?用意すべきものを一挙紹介!

人生において、着物を着るタイミングは意外と多いものです。結婚式や卒業式、成人式などの式典。もっとフランクな状況とすると、夏祭りや花火大会などでも着物を着る機会はあるでしょう。

意外と着物を着る機会は多いものの、必要な小物については知らない方が多いのではないでしょうか。着物は日本人の心とも言えますから、それに関わる小物についても知っておきたい存在の1つです。

そこで今回の記事では着物を着るのに必要な小物、いわゆる「和小物」について紹介していきます。

【和小物】肌着として着用する小物

着物を着るうえで必要なものとして、肌着類はイメージしにくいかもしれません。ですが、それぞれの和小物には重要な役割があります。どれも必要不可欠と言っても過言ではありません。

自身の着心地を良くさせるものや着物を汚れから守るもの、着物を着たときの美しさを向上させるものなど用途は多岐に渡ります。

  • 肌襦袢
  • 裾除け
  • 和装用ブラ
  • 足袋
  • 長襦袢
  • 半衿
  • 衿芯

肌襦袢

肌襦袢とは着物の中に着る肌着であり、いわゆるインナーです。白などの目立たない色を使い、素材には汗を吸収しやすい綿を主に使います。綿素材ですので、一般家庭でもお手入れは非常にしやすいです。

肌襦袢にはセパレートタイプとスリップタイプの2種類があります。スリップタイプは1枚で使う肌襦袢で、イメージはワンピースに近いです。着やすいので着物に慣れていない方におすすめです。

対してセパレートタイプは上下に分かれており、それぞれで自分の体型に合わせて調節できます。着物に慣れてきたら、こちらのほうが使い心地は良いでしょう。

着物を着るには必須の和小物です。

裾除け

裾除けは長襦袢の下に着るもので、体型補正や着物の袖を汚れから守る役割があります。着物を着るには必須と言えるでしょう。また、長襦袢に関しては後ほど詳しく紹介します。

腰巻タイプが価格も安価で主流ですが、ほかにもステテコタイプやスカートタイプ、ワンピースタイプが存在します。絹やポリエステルなど、素材もさまざまです。

裾除けは外から見えます。そのため透けにくいデザインであることは前提に、おしゃれなレースなどデザインも豊富です。

和装用ブラ

こちらも着物を着る際には必須となる肌着類の1つです。和装ブラを使うことで胸を潰し、胸・ウエスト・腰回りの太さを均一にします。身体のラインが見えにくくなるので、着物を着たときのシルエットが美しくなります。

ホックやファスナーの位置、素材等によって種類は様々ですが、基本的な形に大きな違いはありません。特に夏場など汗をかきそうなシチュエーションの場合はメッシュ素材のものを選ぶと良いでしょう。レースなどの装飾がないシンプルなデザインのほうが凹凸が生まれないので着崩れはしにくいです。

足袋

端的に言えば、着物など和装用の靴下です。草履を履くときに鼻緒を親指と人差し指で挟みやすいよう、指先が分かれています。

くるぶし部分には「こはぜ」という留め具が4枚ほど付いており、足首をしっかりと固定してくれます。着物をはじめとする和装には必要不可欠です。着物の着崩れを防ぐため、着物を着る前に足袋を履くのがポイントです。

白足袋が一般的かつ、フォーマルからカジュアルな場面まで汎用的に使えます。柄足袋や刺繍足袋と呼ばれるものもあり、おしゃれではありますがカジュアルな場面で使うのが好ましいでしょう。脱着がしやすいようにストレッチ素材で作られた足袋もありますが、こちらもカジュアルな場面に適しています。

長襦袢

肌襦袢と同様に、着物が直接肌に触れることで汚れたり傷んだりすることを防ぐための肌着の1つです。肌襦袢と着物の間に着るのが長襦袢であり、無くてはならない存在です。

形に大きな違いはありませんが、素材の種類はさまざまで用途によって使い分けます。シルクは光沢があって風合いもあるため、フォーマルな場面で好まれます。ポリエステルは洗濯がしやすく、価格帯もさまざまで扱いやすい点が魅力です。ウールは温度調節に優れ、木綿は肌触りと着心地の良さが特徴です。

肌襦袢と違って長襦袢は外から見えるので、式典などフォーマルな場ではシルクを選ぶのが無難でしょう。日常的に使いやすいのはポリエステルと言えます。

半衿

半襟は長襦袢に縫い付ける替えの衿のことです。後述する衿芯とともに整った形の衿を作るため、浴衣以外では必要不可欠。とはいえ、化粧などによる着物の衿部分を汚れから守ることが本来の目的とされています。

以前は針と糸を使って長襦袢と半襟を縫い付けていました。しかし現在は専用の両面テープやファスナー、安全ピンを利用するケースもあります。本格派を目指すなら縫い付けたものですが、利便性を考えるならファスナーでしょう。

デザインは大きく白半衿と色半衿に分かれます。特に色半衿の種類は無数にあり、コーディネートの大事な部分の1つです。

衿芯

長襦袢に装着した半衿に入れるもので、衿の形を整えながら美しく保つ役目があります。半衿とともに着物には必須の和小物です。

形状に目立った違いはありませんが、透明なものやメッシュなど素材に多少の違いがあります。とはいえ、外から見えてしまわないように目立ちにくい見た目が共通点です。

注意点は衿芯の保存方法。変形してしまうと使い物になりませんから、わざと軽く丸めておくのがおすすめです。

【和小物】帯周りに必要な小物

着物全体の印象を決定づける帯は重要な存在です。それは帯周りの小物に至っても同じことが言えます。

帯周りの着付けは難しく、技術が必要であると同時に奥が深い部分です。着物に対する面白味を感じるきっかけになるでしょう。

  • 帯枕
  • 帯板
  • 帯締め
  • 帯揚げ

着物における帯の必要性は言うまでもないでしょう。着物を身体に固定するのが大きな役割ですが、現在では着物と同格と言われるほどファッション性においても重要です。江戸時代中期に歌舞伎の流行も相まって、現在のような帯の形になっていきました。

帯の種類は長さや幅、素材でも違いがあるうえに男性用と女性用があります。男性用は角帯と兵児帯、女性用は丸帯、袋帯、名古屋帯、半幅帯に大きく分類されます。着用する着物の種類とシチュエーションによって使い分けるのが一般的です。

帯枕

帯枕は帯の形を作る際の土台として使用するものです。フォーマルな着付けを筆頭にほとんどの場面で必要なものですが、帯の結び方によっては必要ない場合もあります。

種類は帯枕の中に帯紐が入っている紐タイプや帯枕全体がガーゼで包まれているタイプに分かれ、大きさや厚みなどでも違いがあります。紐タイプは締めるのが難しいので、着付け初心者にはガーゼタイプがおすすめです。

帯板

帯枕と同じく、帯の形を美しく保つために必要不可欠な小物です。帯の下や間に入れて使います。

帯の前部分に入れる帯板を前板と呼び、シワを防ぎつつまとまりのある着付けに見せる効果があります。対して後ろ部分に入れる帯板を後帯と言い、飾り結びを美しく見せるのが大きな役割です。

素材をはじめ、サイズや柄によっても大きな違いがあります。フォーマルな着物には大きめ、カジュアルな着物には小さめの帯板を使うのが一般的です。とはいえ、着物を着る人の体格などに大きく左右されるので、自分に合ったものを選ぶのが大切です。

帯締め

帯の中央に巻く紐のことを帯締めと呼び、その名のとおり帯を締めて固定する役割を持ちます。着付けにおける実用的な役割のほかに、コーディネートのアクセントとしても重要です。帯締めの結び方は複数あるので、結び方によって印象は大きく変わります。

次に紹介する帯揚げとセットで使用することが多いのですが、着物の着付けには必須です。しかし帯締めは女性用の着物にしか使用せず、男性用の着物には不要です。

帯締めの種類は丸くげと組紐に大きく分かれますが、その中でも組紐は形状によって丸組、角組、平組に分かれます。

帯揚げ

長方形の布のことで帯を彩るアクセントになるとともに、帯の形を綺麗に見せるための小物です。

帯揚げは縮緬(ちりめん)や綸子(りんず)、総絞り、部分絞りなどの生地によって種類が分かれ、シチュエーションで使い分けるのが一般的です。フォーマルなら綸子や総絞り、カジュアルなら縮緬や部分絞りが向いているでしょう。

【和小物】装飾品として使用する小物

これまで数多くの和小物を紹介してきましたが、皆さんにとっては装飾品としての和小物が最も馴染み深いのではないでしょうか。これから紹介するのは、和小物と聞いて真っ先にイメージするものばかりのはずです。

装飾品の和小物は帯周りや肌着よりも重要度は低いように思われがちです。しかし、コーディネートとしての着物の価値を引き上げる重要なアイテムの1つでもあります。

  • 草履
  • 足袋
  • 髪飾り

草履

ご存じのとおり、着物を着るときに履くための履物です。紐の部分を鼻緒と呼び、指で挟み込むようにして履きます。

イ草で作られた草履が最もイメージしやすいと思いますが、現在は革製の草履が一般的です。似た形状のもので下駄がありますが、大きな違いは靴底が平らな点です。加えて、雪駄は草履の1種とされており、男性用の草履の意味で使われます。

通気性が良いので蒸れにくく、脱ぎやすい点が魅力の1つです。サイズのほかに草履の幅によって、船型と小判型に分かれます。草履を履かなくても着物は着れますが、トータルコーディネートとしては必須と言えるでしょう。

足袋

足袋は草履を履くための靴下として実用的な役割とともに、着物らしさを表現するために欠かせない和小物の1つです。草履の鼻緒を挟むことで履きやすくしており、挟みやすい形状をしています。草履を履くのであれば必須の和小物です。

デザインや素材によって違いが生まれます。装飾品として足袋を見るのであれば、着物はシンプルにして足袋の柄をワンポイント的に使うのが良いでしょう。逆に着物が派手なら、足元は白足袋などでシンプルにしたほうがまとまります。

髪飾り

着物に合わせる和小物と言えば、多くの方は髪飾りを思い浮かべるでしょう。ヘアメイクした髪の毛を固定するのが主な役割です。ところが、文字のごとく髪や頭を飾ることで見た目を華やかにさせる装飾品としての側面もあります。

髪飾りの種類としては櫛(くし)や簪(かんざし)、笄(こうがい)が古くからの主流です。しかし造花や生花を髪飾りとして使用することもあり、より華やかさを演出できるでしょう。髪飾りが無くても着物としては成り立ちますが、コーディネートとしては用意しておきたいポイントです。

【和小物】着付けに使用する小物

和小物には着物を美しく見せるためのものがほとんどです。しかしそれ以外にも、着付けをするために使用する和小物があります。

特に自分で着付けをしたいと考えている方は、この章で紹介する和小物をよく確認しておいてください。

  • 腰ひも
  • 伊達締め
  • コーリンベルト
  • 補正パッド
  • フェイスタオル

腰ひも

腰ひもは着物の着崩れを防ぐために腰で締める紐のことです。長襦袢に使うことも多く、雑務をする際に袖をまとめるたすき掛けとしても使われます。

着ている着物を美しく保つことが最大の目的ですが、使用用途は多岐に渡ります。着付けにおいて無くてはならないアイテムです。

腰ひもは素材とサイズで種類に違いがあります。モスリン、絹、ポリエステル、綿に分かれますが、中でも羊毛や木綿を平織したモスリンが主流です。

伊達締め

幅が広くて細長い面状のもので、着付けの場面で使うことが多い和小物の1つです。長襦袢などに巻いて使用し、着物の着崩れを防ぐ役割があるので腰ひもと似ています。両者の違いは形状にあり、紐状の腰ひもと面状の伊達締めとするとわかりやすいでしょう。

素材は絹や綿、ポリエステルが主流です。端を結ぶものが一般的ですが、中にはマジックテープで止めるものもあります。マジックテープのほうが扱いやすく、着脱もしやすいので着付け初心者におすすめです。

コーリンベルト

コーリンベルトは長さの調節ができるゴム製のもので、両端にクリップが付いています。腰ひもなどと使用用途は似ており、簡単かつ綺麗に着付けを行いながら着崩れを防ぐ効果があります。絶対に必要なわけではないですが、あったほうが着付けはしやすいでしょう。

伊達締めができるような幅の広いタイプもあり、クリップの形状や素材まで考慮すると種類はさまざまです。比較的安価ですので、試しながら自分に合うものを探してみるのが良いでしょう。

補正パッド

着物を美しく見せるには、筒型のような凹凸のない体型が理想とされます。そのため、ボディラインのメリハリをなだらかにすることが必要です。これを叶える和小物が補正パッドであり、着物を着たときのシルエット作りと同時に着物の着崩れも防げます。

素材や着脱方法などによって個々の違いはありますが、明確に大きな違いはありません。必須とは言わないまでも、着物を美しく着るには必要な場合がほとんどでしょう。

フェイスタオル

いわゆる普通のタオルで、根本的な発想や目的は補正パッドと同様です。美しく着物を着こなすため、ボディラインの凹凸を無くすことを目的に使用します。補正パッドとの違いであり、フェイスタオルの大きなメリットはピンポイントで補正できる点です。

身体の凹凸によって生じる着物の緩みは着崩れの原因になります。これが無くなることで、結果的に着崩れ防止になります。フェイスタオルの大きさで厚みが違うものを何枚か用意しておくと安心でしょう。

和小物は着物を美しく着るために必要不可欠なものばかり

今回紹介した和小物は着付けをしたり着物を着たりするうえで、必須と言えるものばかりです。それぞれの和小物は種類も豊富ですので、自分に合った使いやすいものを選ぶことが最も大切です。

それと同時に、着物を着るシチュエーションを考慮しながら、マナーに合った和小物を選んで身に着けることも非常に重要です。

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