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2023.06.23
和装について

着物コーディネートのコツは?年代別や季節別、着物の種類別に紹介

いざ「着物を着よう」と思ったときに多くの人が悩みがちな、着物のコーディネート。着物を着る際は、長着の他にも帯やその他装飾品など、コーディネートのポイントとなるさまざまなアイテムを身につけます。

組み合わせ次第で何通りものコーディネートを楽しめる一方、なんとなく選んでしまうとチグハグな印象になってしまうことも。

アイテム同士の組み合わせに問題がなくても、「季節感があっていない」「思っていたのと違う印象に仕上がってしまった」といったアクシデントが起こるかもしれません。

そこで本記事では、着物のコーディネートのコツを解説。コーディネートを左右するアイテム一覧や、季節・年齢別のおすすめコーディネートを紹介します。

着物のコーディネートを楽しめるアイテム

まずは、着物のコーディネートを楽しめるアイテムについてまとめました。

着物を着用する際は、長着以外にもこれだけのアイテムを着用します。それぞれの色味や柄のバランスを考えて組み合わせることで、すてきなコーディネートができますよ。

  • 帯揚げ
  • 帯締め
  • 半衿
  • 羽織

帯とは、着物の上から腰あたりに巻き付けて使用する細長い布のことです。着物を着用する上で欠かせないアイテムとして知られています。色味を着物と合わせて統一感を持たせたり、反対色の帯を選んでアクセントを加えたりと、合わせる帯によってさまざまなコーディネートを楽しめますよ。

なお、女性用の帯は、丸帯・袋帯・名古屋帯・半幅帯の4種類。丸帯や袋帯は格式が高く、金銀糸などをあしらった華やかな印象を持ちます。打掛や留袖などのフォーマルな着物を着用する際に身につける帯です。

対する名古屋帯や半幅帯は、丸帯・袋帯と違って短く軽量で、気軽に身につけることができます。合わせる着物は、小紋などのカジュアルなものです。

格式高い着物には、同じく格式高い帯を身につけるのが一般的。まずは着用する着物に合った帯の種類を選んだ上で、デザインを考慮しながらコーディネートを楽しんでください。

帯揚げ

帯揚げは、帯の上辺を飾るための長方形の布のことです。本来は帯の形を整える「帯枕」というアイテムを隠すために使用されるものですが、帯を装飾する役割も担っています。

帯と比べると、外から見える面積は小さいながら、コーディネートを大きく左右するアイテムです。特に細部までこだわるなら、帯揚げの選び方にもこだわりましょう。

なお、着物によっては帯揚げの色が決められていることも。例えば、既婚女性の第一礼装である黒留袖には、白の帯揚げを合わせます。格式高い着物ほどルールが細かく決められていることがありますので、事前に確認しておきましょう。

帯締め

帯締めとは、帯の上から巻きつける紐状のアイテムのことを言います。帯を固定するために用いられるものですが、帯揚げと同じように装飾品としても多くの人々に親しまれています。帯締めを用いることで、着物にワンポイントのアクセントを加えることが可能です。

帯締めを選ぶ際は、半衿や帯揚げなど、他のアイテムと色味を揃えるのがおすすめです。まとまった印象に仕上がりますよ。

なお、帯揚げと同じく、黒留袖などの礼装を着用する場合は白い帯締めを合わせるのが原則です。

半衿

半衿とは、着物の下に着込む「長襦袢(ながじゅばん)」に装着する衿のことで、汗や皮脂から着物を守るために身につけるアイテムです。着物と合わせることで、重ね着をしているようにも見せることができます。

白などのシンプルなものから色付き・柄付きのものまでさまざまなデザインがあります。着物との組み合わせやなりたい雰囲気に合わせて選びましょう。ただし、礼装を着用する場合は白い半衿を合わせるのが一般的です。

羽織

羽織は、着物の上着として使用する衣類です。洋服におけるカーディガンのようなものと考えるとわかりやすいでしょう。着物着用時のおしゃれの一環として、多くの女性に親しまれています。

羽織は、長さによって「長羽織」と「中羽織」に分かれます。着用できるシーンに差はありませんので、好みのものを選びましょう。無地のものや絵羽柄が施された「絵羽織」、小紋柄があしらわれた「小紋羽織」など、デザインもさまざまです。

男性とは違い、女性の場合、羽織を合わせられるのはカジュアルな着物を着用しているときのみ。留袖や振袖などの礼装には合わせられないことに注意しましょう。

また、「お茶会では着用できない」などのルールも定められているため、着用シーンをあらかじめ確認しておきましょう。

【季節別】おすすめの着物コーディネート

続いて、着物のおすすめのコーディネートを季節別に紹介します。

季節に合ったコーディネートを行うことで、日本ならではの四季をより楽しめるでしょう。また、外出をしたり屋外で写真撮影をしたりする場合は、桜や紅葉など、その季節ならではの風景に馴染みやすいというメリットもあります。

季節別のおすすめコーディネートは、次の通りです。

  • 春:淡い色味や桜柄
  • 夏:涼しげな寒色
  • 秋:こっくりとした茶色など
  • 冬:温かみのあるベージュ

コーディネートのポイントは、その季節ならではの色味や柄、素材を取り入れることです。着物とひとことで言っても、デザインや素材は多岐にわたりますので、ぜひ季節を意識したコーディネートに挑戦してみてください。

春:淡い色味や桜柄

色味は、ピンクやグリーン、クリーム色などの淡いものを選ぶのがおすすめです。ふんわりとしたパステルカラーでまとめることで、暖かな春を思わせるコーディネートに仕上がります。

「パステルカラーに挑戦したいけれど、幼い印象にならないか不安……」という方は、くすみカラーを取り入れるのも1つの手。春らしい柔らかな印象の中にも、大人っぽさを演出できます。パステルカラーに苦手意識のある方は、帯締めや帯揚げなど、面積の小さいものから挑戦してみるのもおすすめですよ。

柄は、桜や蝶々、梅など、春を象徴するものを取り入れましょう。一気に春らしさを演出できます。

夏:涼しげな寒色

夏は青や紺色、黒などの寒色を選ぶのがおすすめ。暑い夏にぴったりな、涼しげな印象を演出できますよ。

暗めの着物であれば、帯や帯締めには水色や白などの明るい色をチョイスしてバランスを取りましょう。全身をダークトーンでまとめると重い印象になってしまいますので、全身のバランスを見ながらコーディネートするように心がけてください。

ちなみに、夏は他の季節とは違い、裏地のない「単衣」という着物を着用します。素材は絽(ろ)や紗(しゃ)などの薄物と言われるものを使用するのが一般的です。肌襦袢や長襦袢など、着物の中に着込む衣類についても、涼しげな素材を選ぶと快適ですよ。

秋:こっくりとした茶色など

秋にぴったりなのは、こっくりとした深みのある色です。紅葉に近い赤やオレンジ、落ち葉のような茶色やベージュなどがおすすめですよ。

「秋」とひとことで言っても、残暑なのか冬直前なのかによって、選ぶ素材は異なります。残暑が続く時期には夏と同じく涼しげな素材を、冬が近づくにつれて「真綿」などの温かみのある生地を選ぶのがおすすめ。素材の違いによって、自然と季節に合ったコーディネートに仕上がります。

冬:温かみのあるベージュ

冬は、ベージュやクリーム色などの温かみのある色をチョイスするのがおすすめです。グレーや白など、冬の雪を連想させる色味も素敵ですよ。

淡い色味の着物を選ぶ場合、帯や小物類は黒などの濃いめの色を選ぶのがおすすめです。コーディネートにメリハリが生まれる、全身が引き締まるなどの効果がありますよ。

最近では小物類の色や柄のバリエーションも大変充実しており、冬にぴったりな雪だるま柄をあしらった半衿なども存在します。コーディネートの自由度が高いカジュアルな着物を着用する場合は、コーディネートのアクセントとして取り入れても良いでしょう。

また、寒さが厳しい時期ですので、羽織を活用するのもおすすめです。全体のバランスを見ながら、着物のデザインにあった羽織を選びましょう。

【年代別】おすすめの着物コーディネート

続いて、着物のおすすめのコーディネートを年代別に紹介します。

年代別のおすすめコーディネートは、次の通りです。

  • 20代:明るい色味でフレッシュに
  • 30代:同系色で落ち着いた印象に
  • 40代以降:無地の着物で上品な雰囲気に

ただし、40代だからといってフレッシュな印象の着物を着用してはいけない訳ではありません。本記事の内容は参考程度にとどめ、自分が身につけたいと思う着物や帯、小物を選んで、コーディネートを楽しんでください。

20代:明るい色味でフレッシュに

20代の方の場合は、明るい色味でフレッシュな印象に仕上げるのがおすすめです。

また、カジュアルな着物や、礼装の中でも振袖を着用する場合であれば、大胆な柄が施された着物に挑戦するのも良いでしょう。

準礼装では、控えめな「色無地」や「付け下げ」より、華やかな絵羽模様があしらわれた「訪問着」を選ぶなど、フレッシュさや華やかさを意識してみてください。

30代:同系色で落ち着いた印象に

落ち着いた印象に仕上げたい30代の方は、同系色でまとめるのがおすすめ。

クリーム色や若草色など、若々しさの中にも落ち着きがある色味の着物をチョイスし、同じく優しい色味の帯や小物をチョイスしましょう。秋や冬であれば、シックな色味でまとめるのもおすすめです。

同系色でまとめることで、大人ならではの落ち着きを表現できますよ。

40代以降:無地の着物で上品な雰囲気に

40代以降の方が着物を着用するなら、無地の着物で上品な雰囲気に仕上げるのがおすすめです。柄のある着物を着用したい場合は、裾に控えめにあしらわれたものを選ぶと大人っぽいですよ。

季節に合った装いを意識しつつ、ダークトーンや寒色などの落ち着いた色味を選ぶのがおすすめです。淡い色の着物に挑戦する場合であっても、白や水色などの寒色系を選ぶと大人っぽさを演出できますよ。

着物コーディネートの注意点

最後に、着物のコーディネートを行う際に気をつけたい注意点についてまとめました。

  • 着物・小物のルールを守る
  • 着物の格式を意識する

着物・小物のルールを守る

1つ目の注意点は、着物・小物のルールを守ることです。

着物や身につける小物には、それぞれ着用できるシーンなどについてルールが定められている場合があります。

例えば女性用の羽織は、礼装や準礼装などのフォーマルな着物に合わせることはできません。カジュアルな着物に合わせる場合であっても、お茶席で着用することも不可能です。

ルールを無視して身につけてしまうと、周りからの印象が悪くなってしまったり、自分自身も気まずい思いをしてしまったりといったことが起こる可能性があります。小物の種類によっては着用できないシーンもあることに注意し、ルールをしっかりと守った上でコーディネートを楽しみましょう。

着物の格式を意識する

2つ目の注意点は、着物の格式を意識することです。

着物は、礼装・準礼装・外出着・おしゃれ着など、細かく格式が分かれています。帯をはじめとする小物類は、着物の格式にあったものを選ぶのがルールです。

例えば既婚女性の第一礼装である「黒留袖」は大変格式が高いため、帯も同じく格式の高い丸帯や袋帯を選びます。反対に、小紋などのカジュアルな着物には、同じくカジュアルな名古屋帯を合わせます。着物と帯の格がチグハグにならないように気をつけましょう。

また、格式高い着物はそうでないものと比べて小物に関するルールもしっかりと決められています。例えば黒留袖の場合、半衿や帯揚げ、帯締めなどの小物は白で統一するのがルールです。反対にカジュアルな着物であれば、小物類の色や柄を自由に選べることがほとんどです。

コーディネートを楽しむ際は、着物の格式を意識することを忘れずに。

まとめ - 着物のコーディネートを楽しもう

以上、着物のコーディネートのコツを年齢・季節別にまとめました。

今回紹介したコツは、あくまでも一例です。例えば年齢が若いからと言って、必ずしも明るい色味のコーディネートに仕上げなければならないわけではありません。本記事の内容を参考にしつつ、自分が身につけたいと思える着物のコーディネートをしてくださいね。

ただし、着用する着物によっては身につけられるアイテムの色や形が制限されることも。例えば、黒留袖などの第一礼装であれば、半衿の色は白と決められています。着物の格式によっては合わせられない帯もあります。

各着物のルールやマナーを守りつつ、コーディネートを楽しみましょう。

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