留袖の基礎知識
和婚ブームの昨今、ご新郎様・ご新婦様はもちろんのこと、やはり主役を引立てる最も重要なご両親。特にお母様のお留袖姿も、ご新婦様に負けないぐらいお綺麗ですよね。そのお留袖について簡単にご説明させて頂きます。
◆留袖のいわれと歴史
江戸時代、女性が成人になると振袖の袖を短く詰める習慣がありました。留袖の名は「袖を留める」ということに由来します。
◆留袖の位置づけと格
留袖はミセスの第一礼装で、特徴は黒無地裾模様、染め抜き五つ紋、地色が黒以外のものは色留袖と呼びますが、格は黒留袖と同じです。ただし、黒留袖は既婚者だけが着るのに対し、色留袖は未婚者でも着られます。
◆留袖のT・P・O
第一礼装としての留袖は、国際交流の場や授賞式など、あらゆるシーンで着用できますが、実際には結婚式、披露宴が一般的。以前は教会式に留袖(和装)はふさわしくないのでは?との声もあったようですが、現代では気にする人も少なく、むしろ積極的に着用されています。
◆留袖のいろいろ
布地は長浜や丹後などの一越縮緬を用いることが多くて、染色は京友禅、加賀友禅、東京友禅の伝統的三技法が主流。金箔と金泥の金彩加工や刺繍、絞り染など、その種類は華やかで多彩です。柄は松竹梅、鶴、宝尽くしなど、おめでたい吉祥文様が主流で延命長寿を願う意味深いものです。
◆ふさわしい留袖の選び方
ご子息・お嬢様お晴れの日は、お母様にとっても晴れの日。ご来賓を迎えられるときや披露宴のフィナーレで、椅子から立って挨拶をしますから、遠くからでもはっきりわかる文様、色彩の吉祥柄を選び、優美な姿で臨みます。親族はお母様ほど格にこだわる必要はありません。自分にあったお洒落感を重視して選んだ方が良いでしょう。
◆留袖の華麗な代表的三技法
[手描友禅]
友禅には江戸中期、京都の祇園に住む絵師・友禅斎以来の技法による「手描友禅」と型紙を用いる「型友禅」があります。手描友禅は、絹の白生地に多彩な色彩で模様を描く技法で長い時間と熟練の技が要求されます。
[金彩加工]
金彩加工は、友禅染よりも以前から衣服に使用されていた加工ですが、戦後には金彩友禅と呼ばれる多様な技法が使われ始めました。金属光沢を放つ多くの箔や粉を接着剤で生地に加工して友禅染をより効果的に仕上げるのに用いられます。
[手刺繍]
色とりどりの絹の釜糸(かまいと)で、精緻な模様をひと刺しづつ時間をかけて縫い上げていく手刺繍の歴史は織物の技術上、まだ文様が思いのままに表せなかった時代(古墳時代)からはじまり、描絵にとって代わるじゅうような技法でした。ハンドメイドの手刺繍留袖は、貴重な伝統工芸品です。
お母様やご列席の方も「主役じゃないから」と言わず、ぜひ晴れの日の最高のお衣裳を選んで下さい。Zen京都ではたくさんのお留袖を取り揃えてお待ちしております。
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